「とりあえず水」は正解?間違い?あなたの体質で分かれる理由

🕊 2025.11.27 🗂️ 体質という考え方

「むくみには水を飲め」「水太りの人ほど水をしっかり」── SNSでも医師のコラムでも、こういうフレーズをよく見かけますよね。

一方で、実際の声を聞いていると、

  • がんばって1.5〜2L飲んでいるのに、むくみはむしろ増えた気がする
  • 水を飲んだあとに、胃がぽちゃぽちゃして重くなる
  • 「水を飲めば代謝アップ」と聞いたけど、体感的にはよく分からない

こんな人が、少なくありません。

この記事では、「水を飲むべき」という一般論を否定せずに、 それでも差が出てしまう 「体質」や「体の構造」 の話を、できるだけ分かりやすく解きほぐしていきます。

この記事のゴール:
「水は大事」と分かりつつもモヤモヤしていた人が、
「自分の体質だと、こう飲めばいいのか」 という実感を持てるようになること。

なぜ「水を飲むべき」が一般論として正しいのか

水が足りないとき、体の中で何が起きている?

まず前提として、「水は基本的に大事」というのは医学的に間違っていません。

水分が不足すると、体は「脱水から身を守るモード」に入り、

  • 尿として水を出さないようにする(抗利尿ホルモンが増える)
  • 血液の濃度が上がり、循環が悪くなる
  • 老廃物が流れにくくなる

などの変化が起こりやすくなります。

その結果、 「水が足りなくても、むくみやすくなる」 という、一見矛盾した状態も起こり得るのです。

「水太り=水の飲みすぎ」ではない

ここで整理しておきたいのは、 水自体にカロリーはない ということ。

「水だけを飲んで脂肪がつく」ということは、基本的には起こりません。 一般的に言われる “水太り” は「水の飲みすぎ」ではなく、「出ていかない」「巡らない」ほうの問題 が大きいと考えられます。

ポイント:
「水を飲むこと」自体は悪者ではない。
問題は “飲んだ水がどう扱われているか”

とはいえ、ここまでの話はまだ「一般論」です。 現実には、同じ量の水を飲んでも、軽くなる人と、だるくなる人がいる。 ここからが、このブログの得意分野です。

それでも“とりあえず水”でスッキリしない人がいる理由

こんな体感があるなら、「量」より「流れ」の問題かも

例えば、こんなパターンに心当たりはありませんか?

  • 水を飲んだあと、胃のあたりがぽちゃぽちゃして重い
  • 朝起きた時点で、すでに顔や足がむくんでいる
  • たくさん飲んでいるのに、トイレの回数はあまり増えない
  • 冷たい飲み物を飲むと、お腹や腰がすぐ冷える

もしこうした傾向があるなら、 「水の量」よりも、「流す力」や「通り道」のほうに課題がある可能性が高いです。

イメージ① 排水管とポンプの関係

家のキッチンを思い浮かべてみてください。

  • 排水管が詰まりぎみ
  • 排水のポンプが弱っている

この状態でいくら水を流しても、 一時的にシンクに水がたまり、「水が多すぎる」ように見えるはずです。

でも本当の問題は、「水の量」ではなく、排水の力と通り道ですよね。 体の中でも、よく似たことが起きています。

この記事でいう「体質」のイメージ

ここから少し、東洋医学や構造の話を使いながら説明します。
難しい言葉は避けつつ、あくまで“体質モデル”としてのイメージだと思って読んでください。

中医学でいう「脾」と「腎」を、ざっくり翻訳すると

  • … 食べたものや飲んだものを「うまく処理して、体に配る力」
    → 現代的には、胃腸の消化吸収力や、そのあと全身に送る力のイメージ
  • … 体を温めながら、水分をコントロールする土台の力
    → 現代的には、腎臓だけでなく、体温・代謝・ホルモンバランスなども含めた“根っこ”の機能

水太りしやすい人は、この「脾」と「腎」の働きが少し弱めで、

  • 飲んだ水をうまく処理し切れない
  • 体が冷えやすく、水を動かす力が出しにくい

といった状態になっている、とイメージできます。

ファシア(筋膜)という「水の通り道」

からだの中には、筋肉や内臓を包む「ファシア(筋膜)」という膜のネットワークがあります。 これは、水分を含んだ薄いフィルムのようなもので、ここがよく滑るほど、血液やリンパの流れもスムーズになりやすいと考えられています。

逆に、

  • 長時間同じ姿勢
  • 冷え
  • 浅い呼吸

が続くと、この膜がペタッと張り付きやすくなり、「水の通り道」が動きにくい身体になっていきます。

こうなると、水を飲んでも「通り道」が開いていないので、流れずにとどまりやすい。 これが、「とりあえず水を飲んでもスッキリしない人」の背景にある構造イメージです。

あなたはどっち?かんたん体感チェック

【A:水が足りないと不調が出やすいタイプ】

  • 喉がよく渇く
  • 便が硬くなりやすい
  • 運動したりお風呂に入ると体が軽くなる
  • 冷たい飲み物を飲んでもあまりお腹が冷えない
  • 水を飲むと頭がスッキリした感じがする

【B:水が溜まりやすい(巡りにくい)タイプ】

  • 朝起きた時から顔・手足がむくみやすい
  • 水を飲んだあと、胃がぽちゃぽちゃして重い
  • あまり喉の渇きを感じないのに「健康のため」と飲んでいる
  • 冷たい飲み物でお腹や腰がすぐ冷える
  • 座りっぱなしや立ちっぱなしが多い

どちらか一方にピタッと当てはまるというよりは、「どちらの傾向が強いか」をざっくり見るチェックです。

タイプ別:水との付き合い方のコツ

Aタイプ(水が足りないと不調が出やすい人)

このタイプは、基本的には一般論どおり、こまめにしっかり水を飲むほうが合いやすいです。

  • 目安:体重×30ml 前後(例:60kg → 1.8L)をひとつの上限目安に
  • 喉が渇く前に、少しずつ
  • 運動中・お風呂上がりは、やや多めでもOKなことが多い

冷たい水もある程度は許容できますが、胃腸が弱い自覚がある人は、常温〜やや温かいものを基本にすると安心です。

Bタイプ(水が溜まりやすい・巡りにくい人)

このタイプにとって大事なのは、「量を一気に増やす」ことではなく、「巡らせる条件を整える」ことです。

  • 目安:体重×30mlを「上限」として、まずは 1.2〜1.5L 程度から様子を見る
  • 冷水をガブ飲みするのは避ける
  • 常温〜白湯を、少量ずつこまめに
  • 飲む前後に数十秒だけでも体を動かす(足首回し・軽い屈伸など)

大切なのは、数字より「体の反応」。
飲んだあとに 軽い/温まる → 合っている
重い/冷える → 飲み方や量を見直すサイン と考えてみてください。

飲み方を変えると何が変わる?体の構造から見る

① 朝いちばんの白湯は「ポンプのスイッチ」

起きてすぐは、全身の循環がまだスローモードです。 ここで 100〜150ml くらいの白湯 をゆっくり飲むと、

  • 胃腸がやさしく温まる
  • 腎臓や膀胱の働きが立ち上がりやすい
  • 横隔膜や内臓の動きが出やすくなる

といった形で、「水を流すためのポンプ」にスイッチを入れるイメージになります。

② 一気飲みは「排水処理」をパンクさせることも

一度に大量の水が胃に入ると、

  • 胃が急に重くなり、動きが止まりやすい
  • 横隔膜がうまく上下できず、呼吸が浅くなる

結果的に、水を流すための“からだのポンプ”が働きにくくなり、その場で水が留まりやすくなると考えられます。

③ 「動いてから飲む」と「飲んでから動かない」の差

ファシア(筋膜)は、少しでも動いたあとに水が入るほうが滑りやすくなる性質があります。

  • 軽く歩く → 白湯や常温の水を飲む
  • ストレッチ → 水を一口

こうした順番にするだけでも、同じ量の水が「むくみ」ではなく「循環のサポート」に回りやすくなることがあります。

水太りしやすい人向けのセルフケア

  • 朝の白湯習慣:100〜150mlをゆっくり飲む
  • ふくらはぎ・足首をよく動かす:下半身の“水ポンプ”を起こす
  • 深い呼吸:横隔膜を動かして胸〜お腹まわりの水の動線を開く
  • 肩甲骨まわりのストレッチ:上半身のファシアの滑走性アップ
  • 長時間同じ姿勢を避ける:デスクワーク中は1時間に1回は立つ
  • 冷え対策:腰・お腹・足首を冷やしすぎない服装を意識

こうした「通り道を整えるケア」と「水の飲み方」をセットで見直すと、 “とりあえず水”よりも、“自分の体質に合った水”に近づいていきます。

体質に合わせた漢方の「カテゴリ」例

水分代謝が気になるとき、漢方薬は「水の通り道を整えるサポート役」として使われることがあります。 ここでは、一般的によく使われる「カテゴリ名」だけを紹介します。

● 五苓散(ごれいさん)系:水の偏りが気になる人に

むくみ・頭重感・天気によって体調が変わりやすい人に用いられることが多い処方です。 「体の中の水の偏り」を整えるイメージの漢方カテゴリです。

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● 防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)系:むくみ+だるさタイプに

体力があまりなく、疲れやすさとむくみがセットで出やすい人に用いられることが多い処方です。 「水」と同時に「気(エネルギー)」も補って巡りを助けるイメージ。

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● 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)系:冷え+水太り+女性の不調に

冷えや生理不調と一緒に、むくみ・水太りが気になる女性に使われることが多い処方です。 血の巡りと水の巡りを一緒に整えるイメージのカテゴリです。

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※漢方は“名前そのもの”よりも、“その名前が想定しているタイプと自分が合っているか”が大事です。 同じ名前の漢方であっても、体質が合わなければ体感は変わります。
持病がある方、すでに薬を飲んでいる方、妊娠中・授乳中の方は、自己判断で始めずに医師・薬剤師にご相談ください。

水の巡りをサポートするサプリの「考え方」

サプリメントは、「水さえ飲めばOK」では足りない部分を、やさしく下支えする役割として考えるとバランスが良いです。

● ビタミンB群サプリ:代謝ルートの底上げに

糖質・脂質・タンパク質の代謝に関わるビタミンB群は、 「水分を含んだ栄養」をエネルギーに変えるサポート役です。

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● マグネシウムサプリ:こわばりやすい人に

筋肉や神経の働きに関わるマグネシウムは、こわばりが強い人の「水の通り道」をゆるめる助けになることがあります。

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● カリウム系サプリ:塩分をとりがちな人に

外食や加工食品が多く、塩分過多になりやすい人の水バランスサポートに。 ただし腎機能に不安がある方は、必ず医師に相談を。

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※サプリメントも「飲めば痩せる・むくみが必ず取れる」といった魔法の道具ではありません。
あくまで 水の飲み方・生活習慣・体質ケア を整えたうえでの「+α」として考えてみてください。

自分の体質をもう少し詳しく知りたい人へ

ここまで読んで、「自分はAタイプ寄りかな?Bタイプかな?」と少しイメージがついてきたかもしれません。 もし、

  • 自分に合う水の量や飲み方を、もう少し具体的に知りたい
  • 漢方やサプリを選ぶときの「体質のヒント」が欲しい

と感じたら、東洋医学の体質モデル×現代医学の視点を組み合わせた公式LINEセルフケアサポートサービス「ととのうケアナビ」も活用してみてください。

自己判断NGのサイン(医療的注意点)

むくみや水分の悩みの中には、自己判断で様子を見ず、医療機関でのチェックが必要なものも含まれます。
以下のような場合は、早めに医師へ相談してください。

  • 片側の足だけ、急に強くむくんできた(血栓などの可能性)
  • むくみと一緒に、息切れ・胸の痛み・動悸がある
  • 短期間で急に体重が増えた(数日で数kgなど)
  • 顔や足のむくみが何週間も続き、改善の兆しがない
  • 極端に水を飲みすぎたあと、頭痛・吐き気・意識がぼんやりする

また、持病がある方・心臓や腎臓に不安がある方は、水分量の調整を自己判断で大きく変えないことも大切です。

参考情報

  • 厚生労働省 e-ヘルスネット「水分と健康」「浮腫(むくみ)」などの解説
  • 一般的な腎臓・水分代謝に関する生理学・解剖学の教科書
  • 東洋医学の体質モデルに関する書籍(脾虚・腎陽虚・水湿などの概念)
  • ファシア(筋膜)と体液循環に関する国内外の研究論文・学会報告
小川亮太

監修者:小川 亮太(おがわ りょうた)

鍼灸師・医薬品登録販売者。東洋医学とAIを融合したウェルネスサービス『ととのうケアナビ』を監修。
「自分の体を自分で整える」ための東洋セルフケアを発信中。

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