秋の胃腸は“張力バランス”がカギ:ツボ刺激と食欲ホルモンの科学で整える方法

🕊 2025.11.25 🗂️ お腹・胃腸の不調

 

秋になると“食べすぎ”が起きやすい理由

秋になると「なんだか食欲が止まらない」「気づいたら食べすぎている」という人が増えます。 この背景には、いくつか科学的に知られている変化があります。

● ① 気温が下がり、体温維持のためのエネルギー需要が上がる

涼しくなると体は熱を作ろうとするため、エネルギーを求めやすくなります。

● ② 日照時間の減少とセロトニンの関係

光の刺激が減ると、気分や食欲に関わるセロトニンの分泌が変化します。 甘いもの・油ものを求めやすい傾向が報告されています。

● ③ レプチン・グレリン(食欲ホルモン)の揺らぎ

「満腹を感じるレプチン」「食欲を刺激するグレリン」。 このバランスは季節や睡眠の質でも影響を受け、秋には揺れやすいとされています。

ただし—— これら“ホルモンの揺らぎ”がどれだけ起きるかは、胃腸そのもののコンディション(張力バランス)にも左右される可能性があると考えられています。

胃腸の不調の裏にある「張力バランス」とは?

「張力」と聞くと専門的に聞こえますが、イメージはとてもシンプルです。

◎ 張力とは?
体の表面や内側にある“薄い膜(ファシア)・筋肉・内臓のつり合い”が、ちょうどよく引っ張り合っている状態のこと。 布がピンと張ったり、たるんだりするイメージに近いです。

たとえば、胃の周りの布がキュッと縮んでいると、胃は「動き出しにくい」状態になります。 逆に全体がゆるゆるだと、うまく収縮できず、食べ物が“停滞しやすい”状態になります。

● 胃腸の張力バランスが崩れると何が起きる?

  • 少し食べただけで重い
  • 逆に、満腹を感じにくくなる
  • 胃のあたりが張る(膨らんだ風船のような感じ)
  • 便秘と下痢を行ったり来たり
  • イライラ・焦り・落ち込みが増える

これらは、東洋医学で「脾・胃の弱り」「気滞(気の巡りの停滞)」と呼ばれてきた現象と重なります。

東洋医学でいう“脾”と張力バランスの関係

東洋医学でいう「脾(ひ)」は、現代の言葉でいう“消化・吸収・代謝を統合した働き”のイメージです。

脾が弱ると、こんな構造変化が起きやすいと考えられています。

  • 胃・腸周りの“支える張力”がゆるむ(→ 消化のキレが悪い)
  • 水分の処理がうまくいかず重だるさが出る
  • 腹部の「下に落ちやすい方向のテンション」が強くなる

つまり、胃腸が重い・水っぽい・動き出しにくいという状態。 これが秋の食欲ホルモンの揺らぎと重なると、“食べすぎスイッチ”が入りやすくなることがあります。

秋の胃腸セルフチェック

▼ あなたはいくつ当てはまる?
  • 最近、食欲が止まりにくい
  • 朝より夜のほうが食欲が強い
  • 胃のあたりが張った感じがする
  • ご飯の後にすぐ眠くなる
  • 冷たいものをよく飲む
  • 下腹がぽちゃっと重い
  • 肌が乾燥しやすい or 吹き出物が出やすい

3つ以上当てはまる場合、胃腸の張力バランスが崩れ気味で、ホルモンの揺らぎを受けやすい時期と言えます。

■ 医療機関受診の目安
強い腹痛・血便・黒い便・38度以上の発熱・急激な体重減少がある場合は、自己判断ではなく医療機関へ相談を。

今日からできるツボ刺激&食欲ホルモンケア

● ① 足三里(あしさんり) — 胃の動き出しをサポート

すねの外側、膝下の少しへこんだところ。 “胃が重いときのスタメンツボ”として古くから使われています。

刺激のコツ
痛気持ちいい程度に、ゆっくり10〜20回押す。 食後すぐは避け、食前〜食間がおすすめ。

● ② 中脘(ちゅうかん) — 胃の中心点

へそとみぞおちの中間地点。 胃の前面にあたり、張り感や“つかえ”の調整に使われるツボです。

● ③ みぞおち周りの“ゆらし” — 内臓の緊張ゆるめ

両手でみぞおちを包み、5〜10秒ゆっくり揺らすだけ。 これは、内臓周りの膜の緊張を軽くし、張力バランスを整える方向に働くことがあります。

● ④ 食欲ホルモンケア(生活編)

  • 寝る前のスマホ時間を短くする(グレリン過分泌予防)
  • 朝、窓際で3〜5分光を浴びる(セロトニン調整)
  • 冷たい飲み物を減らす(胃の動き出し改善)
  • 食事をよく噛む(レプチンの作用を活かす)

相性のよいセルフケア用品(一般カテゴリ)

▼ 秋の胃腸ケアに相性がよい一般的な商品カテゴリ

※ メーカー名を限定しない一般カテゴリー紹介です。ご自身の状態に合わせてご検討ください。

もっと自分の“胃腸タイプ”を知りたい人へ

秋の食べすぎ・胃もたれ・張り感は、体質(張力のクセ)によって整え方が変わることが多いです。 もし「私の体はどんなタイプ?」と気になったら、AI体質チェックが役立ちます。

参考文献

  • 厚生労働省:栄養・食生活/生活習慣に関する情報
  • WHO:季節変動と健康に関するレポート
  • PubMed:食欲ホルモン(Leptin / Ghrelin)に関する主要研究
  • 中医学基礎理論(東洋学術出版社)
  • Fascia Research Congress の抄録・レビュー記事
小川亮太

監修者:小川 亮太(おがわ りょうた)

鍼灸師・医薬品登録販売者。東洋医学とAIを融合したウェルネスサービス『ととのうケアナビ』を監修。
「自分の体を自分で整える」ための東洋セルフケアを発信中。

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